【2024年速報】美容室の倒産、過去最悪のペースに！美容室の倒産が急増している背景と対策

美容室の倒産状況

東京商工リサーチの調査によると、2024年1～4月に46件の美容室の倒産が発生しました。この数は、同期間として過去10年間で最多だった2018～19年の32件を上回っており、現在のペースが続くと、年間の件数がこれまで最多だった2019年の105件を上回る可能性が高いと報告されています。

理美容院の増加と業界の現状

美容室は過去最高26万4223軒

令和3年（2021年）の美容室の店舗数は、前年度から6333軒増の26万4223軒（前年度比2.5％増）。年々増加を続けており、今回も過去最高を更新した。

一方、理容室はさらに減少し、1053軒減の11万4403軒（前年度比0.9%減）となった。

従業人数は美容師56万1475人、理容師20万6747人

働く人の増減も、理美容室は対局にある。従業美容師数は前年度から1万1540人増の56万1475人。従業理容師数は4102人減の20万6747人となった。

なお、衛生行政報告例は秋に公表される予定だが、4年連続で公表時期が繰り下げられた。過去3年は「新型コロナウイルス感染症の影響」が理由だったが、今回は「数値の精査に時間を要したため」としている。

全国の理美容院の数は10年前に比べて27万件と増加しています。しかし、業界全体が良くならない理由の一端には、独立や面貸し、業務委託など働き方の選択肢が増えた結果があると考えられます。これらの選択肢は一見、美容師にとって多様なキャリアパスを提供しているように見えますが、実際にはその裏側に多くの課題を抱えています。

選択肢の増加が美容師の未来を潰す可能性

独立や面貸しサロン、業務委託サロンの急増は、美容師のキャリア形成において新たな問題を引き起こしています。

1. 未熟な状態での独立

– 美容師が十分な経営スキルや顧客基盤を持たないまま独立すると、持続的な経営が困難になります。経営面の知識や経験が不足していると、サロン運営がうまくいかず、倒産のリスクが高まります。

2. 面貸しサロンの乱立

– 面貸しサロンが増えると、過当競争が生じ、収益が分散します。これにより、安定した収入を確保するのが難しくなり、多くの美容師が経済的に不安定な状況に陥ります。

3. 業務委託サロンの取っ付きやすさ

– 業務委託サロンは初期投資が少なく、参入しやすい一方で、長期的なキャリア形成が難しくなることがあります。安定した雇用形態ではないため、福利厚生や収入の安定性が欠如し、美容師の将来に不安をもたらすことがあります。

データによる裏付け

具体的なデータを示すと、独立した美容師の約50%が5年以内に廃業するという統計があります。さらに、面貸しサロンにおける収入の不安定さを示す調査では、面貸しを行っている美容師の約40%が経済的に困難な状況にあるという報告もあります。

まとめ

美容室業界が抱える問題を解決するためには、美容師が安定したキャリアを築くための支援が不可欠です。例えば、経営スキルの向上を図るための教育プログラムや、収益の安定性を確保するためのサポートシステムの導入が考えられます。また、働き方の選択肢を増やすことが目的ではなく、美容師が長期的に安定したキャリアを築ける環境作りが重要です。

今後の対策としては、美容師のスキルアップや経営知識の習得を支援するプログラムの充実、サロン運営に関する相談窓口の設置などが求められます。美容業界全体が一丸となって、美容師が安心して働ける環境を整えることが、業界の健全な発展につながるでしょう。